【片麻痺】足部と体性感覚

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【片麻痺】足部と体性感覚

こんにちは、ひろかずです。

片麻痺者の足部は

・内反している
・下垂している
・足趾は強く屈曲している

臨床場面で一度は経験すると思います。
これらは、姿勢変換によって変化し、立位・歩行動作を制限します。

足部は、座位や立位における支持基底面として重要な役割があるため
丁寧な評価治療が必要です。

足部・足関節の変形

アライメント・筋緊張・感覚の評価は重要となります。

高緊張であれば、底屈内反・足趾屈曲が過剰に出現
低緊張であれば、下垂足、筋萎縮

はよく経験します。

・姿勢によるアライメント・筋緊張の違い
・足部の感覚(荷重感覚、触覚など)
・足部アーチの左右差(内外前アーチ)
・足内在筋と外在筋の関係

これらは介入毎に確認し、その方個人の傾向を知ることが大切です。

もう少し踏み込んで考えるとこんな論文があります。

the axes of all the foot joints (except for those of the middle 3 rays) adapted from radiographs of the experimental foot.
実験的な足のレントゲン写真から適合されたすべての足関節の軸

W. G. Wright,et al.Foot anatomy specialization for postural sensation and control.J Neurophysiol. 2012

図をみると、びっくりしますが軸がたくさんありますね。

「足が硬いので、足関節背屈・底屈運動をする」のような単純な運動ではないのがわかります。さらに軸は中~高足部のラインを通っていますね。

ここから足部の構造的で重要な点は

・多軸の動き
・中後足部の動き

と言えます。

片麻痺者の足部においても大事な観点と思います。

足部アーチと脛骨の傾き

足部アーチと脛骨の傾きは併せてみていけると良いですね。

During standing, the foot arch probe and shin sway revealed a significant correlation, which shows that as the tibia tilts forward, the foot arch flattens and vice versa.
立っている間、足のアーチと脛骨の揺れは有意な相関関係を示し、脛骨が前に傾くと、足のアーチが平らになり、逆も同様であることを示す。

W. G. Wright,et al.Foot anatomy specialization for postural sensation and control.J Neurophysiol. 2012

例えば、足部の内反している方は

・内側アーチが浮いている・第一中足骨が動かない
・前脛骨筋の過緊張→内側楔状骨が引っ張られている
・下腿が外旋している

足部単独でなく、下腿をあわせてみていく必要があります。

 

膝との関係性を考えると、

膝折れ→足関節背屈している
反跳膝→足関節底屈している

これもあわせてみていく必要があります。

ポイントは

多関節運動としてみていく
運動の連続性をみていく

です。

実際には、とても細かな足部の動きもあるでしょうし、

運動の中で連続性が大事だったりします。

常にアクティブな足部を作る

アクティブな足部とはどんな状態でしょうか。

常に活動にうつれる状態であることと思います。

ただ床面と接地しているだけのようでも、足底からは多くの感覚情報が入力されています。

適度な安定性と運動性が保たれた足部が大切と考えます。

sensory input arising from notable deformations of the foot arch and soft tissues may provide important (or at least complimentary) information about postural body sway and/or postural reference.
足のアーチと軟部組織の顕著な変形から生じる感覚入力は、姿勢の体の揺れおよび/または姿勢の参照に関する重要な(または少なくとも補完的な)情報を提供します。

W. G. Wright,et al.Foot anatomy specialization for postural sensation and control.J Neurophysiol. 2012

常に適切な感覚情報が得られやすい、足部のコンディションを調整することが、姿勢を安定する上では重要です。

下肢装具やインソールは、患者の潜在性にあわせた選択が必要となってきます。

 

 

本日は【片麻痺】足部と体性感覚について、
構造的・体性感覚の観点からも重要、という話でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

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