姿勢制御と上肢・手

Clinical

姿勢制御のために手のセラピーをする

姿勢制御のために手のセラピーは大切です。

軽い接触刺激(手からの感覚)で姿勢制御が安定することは

多く経験します。

健常人であれば、意識せずとも立位や歩行に上肢がバランスに寄与しています。

脳卒中後患者の「手」

脳卒中患者の手を思い浮かべてみると、

・手指が強く屈曲している

・手指を伸展すると痛みを伴う

・手関節が掌屈している

・手関節を背屈すると痛みを伴う

など臨床的に一度は経験したことがあると思います。

 

「手」の機能となると、操作、随意性、実用性などイメージしやすいですが、

「手指を開いて軽く接触しておけるかどうか」

は姿勢制御に問題を呈する脳卒中患者においては非常に重要と言えます。

 

上肢と姿勢制御

随意性や実用性などの運動の出力系のみに目を向けるのではなく

軽く接触した「手」からの、感覚の入力系に目を向けることが大切です。

 

Light touch is the combination of cutaneous and kinesthetic inputs. ・・・(中略)・・・Our findings indicate that light touch could be beneficial in postural control for individuals with hemi-paretic stroke.

Effects of Light Touch on Balance in Patients with Stroke.

Tae-sung In.et al.2019

 

 

軽い接触ができて、感覚情報を取り入れやすい皮膚、筋、関節の機能が

姿勢制御には大切と言えます。

 

一方で、手をセラピーする前に

「下肢や体幹、歩行やADLのアプローチをやらなければいけない」

意見もあるかと思います。

例えば

・立位バランスが不安定で上肢が屈曲してくる

・バランスを取るために強く把握している

・上肢が過剰に頑張っている

当然、手を治療する上では、立位バランスの問題点に対してのセラピーが必要になります。問題点は、下肢や体幹かもしれません。

下肢・体幹のセラピーの結果、上肢の筋活動に変化がみられることはあります。

 

大切なのは、

・優先順位を見極めてセラピーを展開していくこと

・麻痺側だけではなく、下肢だけではなく、全身を評価すること

です。

 

では、明日も臨床がんばります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

Clinical
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