【運動制御】知覚、行動、認知を考える

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【運動制御】知覚、行動、認知を考える

こんにちは、ひろかずです。

 

運動制御をより良くするためには、知覚、行動、認知について考えることが重要です。

 

脳卒中のケースで考えると、

・随意性は良いけど、動作につながらない

・動作の修正が持続しない

・自主トレーニングの効果がでにくい

一度は経験があるかと思います。

 

「運動パフォーマンスを変化させる」とは、

大きく考えると「中枢神経系を理解すること」が大切と言えます。

 

疾患問わずに共通する考えかと思います。

 

では、具体的にポイントをおさえて考えていきます。

知覚、行動、認知の相互作用

運動制御に関与する知覚、行動、認知プロセス間の相互作用モデル[1]から、運動に関与する中枢神経系を理解することができます。

 

実際にセラピストが観察するのは、実行された「Action:行動」を現象として観察します。

 

「Action:行動」の背景は、感覚や「Perception:知覚」等、多くの中枢神経系の関与があります。

 

「運動」を観察するときに「感覚」の要素を抜きにはできないことが理解できます。

「知覚」はわかりにくい、けど大切

「Action:行動」は目に見える現象ですので、比較的理解しやすいかもしれません。

 

「Perception:知覚」は目に見えません。そのため、セラピストの推察が必要になります。

 

これがわかりにくい理由かと考えます。

 

例えば、失語により表出がむずかしいケース

感覚検査はうまくできません。

 

その場合どうしたらいいでしょう?

 

動作からの推察するが重要と考えます。

 

・起居動作で麻痺側上肢がついてこない

▷上肢の知覚低下?

・足部の引っ掛かりを気にせず歩く

▷足部の知覚低下?

 

口頭で「気をつけてください」と繰り返しても変わらないケースも多いのではないでしょうか。

 

「Perception:知覚」は目に見えないですが、推察することが大切です。

認知と行動につながる「感覚入力」

ケース自身が感覚を知覚し、認知できればセルフケアにつながります。

 

セルフケアにつながれば、身体状況にあわせた行動へとつなげることができます。

 

セラピストの役割は、そうしたチャンスを見逃さないことです。

 

そして、ケースの動機づけ(やる気)を引き出し、セラピーの持続性をもたせることかと思います。

 

反対に、認知や行動につながらない「感覚入力」は、あまり意味がないとも言えます。

脳卒中ケースの上肢機能では

脳卒中ケースの上肢機能の回復は難渋することが多いかと思います。

 

「機能的に改善がみられても、日常生活の場面では使いやすい非麻痺側を使用してしまう」ということがありませんか?

 

この場合、認知や行動への介入が必要かもしれません。

 

できるだけ回復している麻痺側上肢の使用頻度を向上させるため、課題や環境のマネージメントは大切な視点です。

 

認知症ケースでは

ケースの「cognition:認知」が働きにくいことから、より「Action:行動」からの推察が必要と考えます。

 

一見、つじつまの合わない行動からも

・なぜそのような行動をするのか?

・どう感じているのだろう?

と推察しながら関連性を紐解いていく視点が大切かと思います。

まとめ

「運動パフォーマンスを変化させる」ため、知覚・行動・認知の相互作用について考えました。

 

中枢神経系を理解することは難しいですが、セラピストにとって必ず理解しておきたい知識です。

 

繰り返しケースに落とし込んで考えていくと実践的な理解につながるかと思います。

 

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床へつながれば幸いです。

References
  1. Anne Shumway-Cook, Marjorie H. Woollacott.Lippincott Williams & Wilkins, Motor Control: Translating Research Into Clinical Practice.2007.47
Clinical
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