上部体幹アライメント評価:ポイントは三角形
こんにちは、ひろかずです。
脳卒中後、上部体幹アライメントは非対称や不安定性を呈する方が多いです。
上部体幹のアライメントの崩れは、上肢機能(リーチやグラスプ)の制限につながります。
適切に評価し治療へつなげることは大切といえます。
基本的なポイントをおさえて考えていきます。
ポイントは三角形
観察ポイントは、三角形が左右差なくきれいな形になっているかみてみましょう。
脳卒中後の方を思い浮かべると、
麻痺側の肩が下方に下がっている
非麻痺側の肩が上方へあがっている
下部体幹から崩れている
など、左右差がみられるケースは多いです。
何気なく座っているとき、立っているとき「きれいな三角形かな?」と観察してみると分析が深まります。
上部体幹:前額面(前後)
前額面上では、前後から観察するようにしましょう。
主に肩甲骨と頚部・脊柱との位置関係は観察ポイントになります。
例えば、前からの観察で、麻痺側の肩峰と耳垂の距離が短いケースは、上肢の随意運動に、僧帽筋上部で挙上を代償しているかもしれません。
あるいは、非麻痺側の肩峰と耳垂の距離が短いケースは、努力的に杖を使用した結果、肩甲骨の下制が難しくなっているかもしれません。
後ろからの観察で、下角と内側縁との距離が拡大しているケースは前鋸筋の不活性がみられ、リーチに伴い安定性が低下している可能性があります。
アライメントから、症例の運動パターンや不活性となっている筋活動の仮説が生まれます。
仮説が生まれたら、あとは治療介入で仮説検証→再評価…治療(評価)の繰り返しです。
パフォーマンスが改善するとアライメントは変化してきます。
上部体幹:矢状面・水平面
アライメント評価のポイントは、全方向から、3Dを意識して観察することです。1方向のみの観察では、大事な要素を見落としてしまう可能性があります。
矢状面は、座位と立位の姿勢変換による変化は観察ポイントです。
座位では骨盤は後傾・腰椎屈曲となりやすい
立位では下肢機能の要素も考慮
骨盤・腰椎のアライメントの変化から
上部体幹の関係性を考えられると観察・分析が深まります。
まとめ
上部体幹アライメントは、脳卒中後に非対称・不安定となっているケースが多いです。
脳卒中後に限らず、頚部や上肢に問題を呈する方も同じポイントかと思います。
ポイントは、
・前額面(前から)は三角形の左右差
・全方向から観察
・運動パターンの仮説を考える
基本的ですが、このあたりが大切かと思います。
本日は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。