【動作分析】大脳基底核から考えてみる
こんにちは、ひろかずです。
脳卒中ケースの動作分析に苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか。
・どう考えたらいいかわからない
・どこに着目していいかわからない
・どう表現したらいいかわからない
大切なのは全体像を捉えるキーワードです。
ポイントをおさえて考えていきます。
大脳基底核のネットワーク
大脳基底核のネットワークのモデルになります。
担当するケースの病変部位は、このネットワークに影響しますか?
「関係なさそうだけど、ネットワークでみると影響ありそう」というようなケースも多いのではないでしょうか。
直接or間接的に影響しているのであれば、大脳基底核の役割を理解すると動作分析のヒントになります。
大脳基底核から考える4つのポイント
姿勢制御における大脳基底核の役割です。
①活性化/調整
②姿勢−運動の連結
③自動化
④環境依存の適応
この4つとなります。
動作分析から、ケースの問題点を表現するときに大切なキーワードになります。
慣れないときは、これらキーワードを頭に思い浮かべ全体像を捉えるのもアリです。
そして、キーワードを使って現象を表現してみることです。
「担当ケースの現象を同僚や先輩に伝えるとき、一つキーワードを入れてみる」
相手に伝われば適切に表現できている証拠です。
歩行の動作分析で表現してみる
中等度の片麻痺ケースを想定します。
・常に下方を意識し慎重に歩く
→自動化↓
・不整地で足部の内反増強
→調整/環境依存の適応↓
・麻痺側立脚後期で骨盤後退・反張膝出現
→活性化/姿勢−運動の連結↓
現象をキーワードで表現するとこんな感じでしょうか。
全体像を捉えたら、次に「なぜか?」と深堀りをしていくことです。
深堀りするときは、アプローチを加えて優先順位を考えましょう。
・足部内反→セラピストが体幹を支えると内反軽減する
▷体幹が主要問題
・肩関節屈曲→背臥位では180°、立位では120°
▷バランスの影響あり
優先順位はこのような流れです。
一回の介入でどれだけ深堀りできるかが勝負です。
型にはめるのは良くない
キーワードは大切です。
ですが、無理やり型にはめることのないよう注意が必要です。
キーワードありきで現象を捉えると、自分の考えに当てはめようとする強引さが生まれてしまいます。
さらに、自分の考えにないことは受け入れない、となるとまずいですよね。
あくまで、素直に現象を捉えて全体像を表現するバランスが大切です。
ケースを表現してみて同僚とディスカッションしてみると理解が深まると思います。
まとめ
今回は動作分析について、大脳基底核の役割から4つのキーワードで考えました。
全体像を捉える視点、表現のキーワードのヒントになればよいかと思います。
本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床へつながれば幸いです。
References
- Jasper E. Visser and Bastiaan R. Bloem.Role of the Basal Ganglia in Balance Control.NEURAL PLASTICITY.2005
- Martina Mancini, John G Nutt, Fay B. Horak.Balance Dysfunction in Parkinson’s Disease: Basic Mechanisms to Clinical Management. Academic Press, 2019.17