モーターコントロール:大脳皮質の役割は?

Clinical

こんにちは、ひろかずです。

本日は、モーターコントロール 大脳皮質の役割についてのお話です。

「モーターコントロール」=「運動制御」ですが、
簡単に言うと「思い通り身体が動く」ということです。

「目の前のボトルに手を伸ばし取る」という単純な動作であっても
脳から筋肉まで指令が伝達される過程は複雑な中枢神経のメカニズムが働いています。
健康な方は意識せずとも動作が可能です。

思い通りに身体を動かすために、
運動・感覚の調整、神経の興奮・抑制、反射…などなど
複雑なネットワークのもと成り立っています。

大脳皮質の役割は?

モーターコントロールシステムにおける大脳皮質の役割は、

1. Cerebral cortex as a whole is essential for sending analytical and command motor signals for execution through:
a. Frontal motor area forming corticospinal (pyramidal)pathways.
b. Premotor and supplementary motor cortices which are important for programming, i.e., sequencing and modulation of all voluntary movements.
c. Prefrontal cortex projecting to premotor and supplementary motor areas and help by planning and initiation of willed activity.
d. Parietal cortical areas (5,7) which are important for guidance of movement.
e. Association areas acting through conscious (visual, tactile,auditory) or unconscious (proprioceptive)informations also guide motor system.
1.大脳皮質は全体として、運動実行の分析および指令の信号を送るために必須。
a.  皮質脊髄路(錐体路)経路を形成する前頭運動野。
b.   運動前野と補足運動野はプログラミングのために重要、すなわち随意運動のシークエンスと調整に重要。
c.  前頭前皮質は運動前野と補足運動野の、意欲的な活動の計画と開始を支援。
d. 頭頂部皮質領域(5、7野)は運動のガイダンスにとって重要
e. 意識的(視覚的、触覚的、聴覚的)または無意識的(固有受容的)情報を通じて行動する関連領域も運動系を導く。

Angshuman Mukherjee,et al.Spasticity Mechanisms – for the Clinician.frontiers in neurology.2010

大脳皮質は「運動実行の指令」を出し、
企画・開始と計画・ガイド・調整のネットワークが働いています。

脳卒中者では?

・動きが遅い
・手が動かない
・歩きにくい など

観察される現象は同じように見えていても
背景となる問題点が違えばアプローチも変わってきますよね。

思い通りに動かそうと過剰に努力している場合、運動指令を強めているかもしれません。
適切な感覚フィードバックが得られるよう工夫が必要と思います。

あるいは、随意運動はできるけれど、歩き始めが難しい場合、 運動計画や企画に何かしらの問題があるのかもしれません。

運動誘導や手がかりに工夫があると、スムーズに運動実行できる可能性があります。

 

地道ですが、
機能と動作・行為と画像所見の整合性を考えながら進めることが大切です。

認知症者では?

アルツハイマー認知症者はどうでしょうか。

精神面だけでなく、運動面においても影響を示すと考えられます。

新しい環境や課題では、思うようにパフォーマンスを発揮できない可能性もあります。
精神的な負荷を与えすぎないよう配慮することが、最大限のパフォーマンスを引き出すポイントと考えます。

運動器症例では?

変形性関節症にて長い期間、跛行を呈してきた方はどうでしょうか。

痛みを避けるモーターコントロールを学習しているか
痛い部位には力を入れない歩容を学習しているかもしれません。

術後に骨関節の問題がクリアになっても、歩容はすぐには変わりません。

新たなモーターコントロールを学習できるよう誘導していくのもセラピストの役割と思います。

 

 

 

本日は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Clinical
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