脳卒中後の筋緊張

Clinical

脳卒中後の筋緊張

こんにちは、ひろかずです。

脳卒中後の筋肉は

筋緊張が高い(硬い)・低い(柔らかい)
弱い、短い…

病変部位や程度によって多様な症状がみられます。

「上位運動ニューロン症候群」を考えると整理できると思います。

上位運動ニューロン症候群とは?

Other signs can be hypotonia and loss (or reduction) of deep tendon reflexes. These signs are known as the negative features of the UMNS. Sometime later, other signs appear, characterised by muscle overactivity: spasticity, increased deep tendon reflexes (also called tendon jerks), clonus, extensor spasms, flexor spasms, Babinski sign, positive support reaction, cocontraction, spastic dystonia, and associated reactions. These signs are known as the positive signs of the UMNS. 
他の徴候は、低緊張症および深部腱反射の喪失(または減少)が起こりうる。これらの兆候は、UMNSの陰性兆候として知られている。しばらくすると、筋肉の過活動を特徴とする他の兆候が現れます。痙性、深部腱反射の増加、クローヌス、伸筋スパズム、屈筋スパズム、バビンスキー徴候、陽性支持反応、共収縮、痙性ジストニア、および連合反応。これらの兆候は、UMNSの陽性兆候として知られている。

Carlo Trompetto,et al.Pathophysiology of Spasticity: Implications for Neurorehabilitation. Journal of Biomedicine and Biotechnology.2014

 

脳卒中となり、上位運動ニューロンが障害されると

陰性兆候→低緊張、腱反射減弱
陽性兆候→過緊張、腱反射亢進、痙縮、クローヌス

が現れます。

 

こちらも、病変部位や程度によって多様な症状を呈するかと思います。

 

どちらか一方が出現している、というよりミックスして出現しているケースが多いかと思います。

 

では、実際に症例でイメージしてみます。

片麻痺をイメージしてみると?

中等度の片麻痺症例を考えてみます。

セラピストは観察する際、目立つところに視線がいくかと思います。

過緊張は、視覚的にはわかりやすい兆候です。

しかし、実際はどうでしょうか?

 

こんなイメージかと思います。

陰性兆候も同じように呈していることが多いです。

筋力の弱さ、緊張の低さが背景となり、代償的に過活動を呈しているケースもあります。

特に陰性兆候は、意識して目を向けなければ気づけないかと思います。

 

陰性兆候⇄陽性兆候の関連性を考えることが重要といえます。

これから陰性兆候が増える?

高齢化を背景に、重複障害を呈した症例が多くなっています。

そうなると、ベースに筋力低下、体力低下のある方が増えるでしょう。

つまり、陰性兆候の視点がより大切になると思います。

先行研究から、脳卒中患者の弱化に対する筋力トレーニングについて

効果的な方法や有用性について示されています。

 

 

 

本日は、脳卒中症例の筋緊張について

陽性・陰性兆候の観点が大事ですという話でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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