【片麻痺の上肢】肩甲骨と胸椎の影響
こんにちは、ひろかずです。
早期に歩行を獲得できても、上肢機能の回復に難渋するという片麻痺ケースは多いのではないでしょうか。
ケースの上肢機能を考えると、
・リーチ動作に代償を伴う
・歩くときに腕が振れない
さまざまな現象があると思います。
上肢機能の回復には、肩甲骨や体幹の関連性をどのように捉えるかは臨床的に重要と考えます。
今回は、肩甲骨と胸椎の影響について考えてみます。
肩甲骨と胸椎の位置関係
肩甲骨と胸椎の位置関係を確認します。
肩甲骨は
・挙上−下制
・内転−外転
・前傾−後傾
左右差を評価しましょう。
いずれも胸椎との位置関係をみながら捉えていくとよいです。
また、座位と立位の姿勢による変化も大切なポイントです。
座位で背中をかがめるとどうなりますか?
多くは、座位になると骨盤は後傾位しやすく、それに伴い胸椎は屈曲します。
胸椎屈曲に伴い、肩甲帯は挙上・外転・前傾位となりやすいです。
【片麻痺】肩甲骨と胸椎屈曲
片麻痺ケースでよくある胸椎屈曲の要因を考えてみました。
下部体幹筋や広背筋、前鋸筋や大胸筋などの影響があるかと考えます。
高齢者であれば、なおさら伸展活動は制限されていることも多いです。
上肢機能にアプローチするにも、骨盤や体幹、肩甲帯との関係性を捉えつつ主要問題を探っていけるとよいかと思います。
肩甲骨後傾の安定性
胸椎屈曲位では、肩関節水平外転の筋力が16.2%減少する(Maikutlo Kebaets,et al.1999)との報告があります。
適切に肩関節の筋力を発揮するためには、肩甲骨後傾の安定性が重要といえます。
片麻痺ケースにおいては、肩甲骨後傾の不安定性がみられることが多いかと思います。
肩甲骨の動的な安定性は、セラピーを展開していく上で非常に大切なポイントです。
まとめ
本日は、片麻痺の上肢について肩甲骨と胸椎をポイントにして考えました。
肩甲骨の評価と治療は、上肢の操作性や移動における役割を考えると大切なテーマです。
ケースに落とし込んでいくとより理解が深まると思います。
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながると幸いです。