動きの質:3つのポイントから考える
こんにちは、ひろかずです。
「動きの質」をどのように考えていますか?
・なんとなく転びそうで危ない
・危ないので手すり使っている
・出来るときと出来ないときがある
一つひとつの要素を整理できれば、効率的なアプローチにつながります。
では、「動きの質」を理解するため、3つのポイントで考えていきます。
個人・課題・環境の相互作用
動きの質は、Individual(個人)・Task(課題)・Environment(環境)の相互作用[1]が大切です。
例えば、脳卒中ケースの立ち上がり動作をイメージしてみましょう。
・椅子から立てる
・トイレから立てない
同じ動作でも、出来るときと出来ないときがあります。
3要素で考えてみます。
・Individual(個人):片麻痺
・Task(課題):立ち上がり動作
・Environment(環境):座面の高さ、手すり使用や位置、時間帯(日中or夜間)
ざっくりな例で申し訳ないですが、このケースはEnvironment(環境)の要素が動きの質を変えた可能性が高いのではないでしょうか。
立ち上がることができる座面の高さがわかれば、ベッドや車椅子、食卓椅子などの環境設定が可能です。
また、立てない座面の高さを知ることは、セラピーを進める中での効果判定にもなります。
例えば、30cmの高さから立てない▷(1週間後)立てるようになる。
回復に合わせて3要素を最適化(更新)していくと効率が良いです。
Task(課題)とIndividual(個人)
Individual(個人)とTask(課題)から考えてみます。
Task(課題):移乗動作で転ぶ危険
Individual(個人):麻痺側下肢の伸展不足、感覚障害、足部の可動性低下
一度は経験があるのではないでしょうか?
「移乗動作」を構成するのは、「立ち上がり」「方向転換」「着座」です。
危険性があるのはどこか?
できそうでできないのはどこか?
動作の構成を分解して考えてみると整理しやすいです。
すべての動作を把握するのは難しいため、動作の共通項をみつけ絞り込みが大切です。
ぎりぎり出来るレベルの課題の質をみつけ、量をふやしていくことが、動きの質を変えていくポイントです。
セラピストは「Individual(個人)」を明確に
セラピストはIndividual(個人)をクリアにすることが最重要と考えます。
可動域制限、感覚障害、筋緊張、体幹機能など
Individual(個人)が明確にできれば、Task(課題)・Environment(環境)は自ずと決まってきます。
セラピーの優先順位をつけることもできます。
相互作用を考えつつ、Individual(個人)をしっかり分析しアプローチすることが、セラピストに求められる役割なのではないでしょうか。
まとめ
今回は、「動きの質」を理解するため、3つのポイントで考えました。
担当ケースのすべての動きを把握するのは難しいので、「転ぶ危険性がある動き」など絞り込んで考えると良いかと思います。
自分の担当するケースに落とし込んで考えていくと、理解が深まると思います。
以上になります。
最後まで読んでいたきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。
References