【脳卒中】立位の安定は感覚統合が重要
こんにちは、ひろかずです。
本日は、立位の安定は感覚統合が重要、というテーマです。
健常人は「立つ」ことを無意識に、努力することなくできます。
脳卒中になると「立つ」ことが難しく、努力を要し、その先の「歩く」ことを制限される方が多いです。
安定して立つためには、感覚(入力)統合についての理解が重要です。
運動と感覚は表裏一体
「動きのコツ」「動きやすい、動きにくい」など日常的に聞きます。
運動と感覚を切り離して考えることはできません。
脳の視点で考えると、運動はアウトプット、感覚はインプットです。
目に見えるアウトプットから、見えない(わかりにくい)インプットを考えなければなりません。
本質的な問題を捉えるには、知識の理解と素直に観察することが大切です。
「立つ」ことは感覚統合
脳にエラーが生じると立つことは途端に難しくなります。
それは、立つことは複雑な感覚統合により成されているためです。
・In a well-lit environment with a firm base of support, healthy persons rely on somatosensory (70%), vision (10%) and vestibular (20%) information.
・安定した支持面の明るい環境では、健康な人は体性感覚(70%)、視覚(10%)、および前庭(20%)の情報に依存している。
安定して立つには、視覚・前庭・体性感覚の統合が重要と言えます。
環境の変化に合わせて、重視される感覚は変化します。
暗闇では視覚を優先できませんし、不安定な支持面では体性感覚の入力は少なくなるかもしれません。
視覚・前庭・体性感覚の役割
・Vestibular sensory cues detect deviations of head orientation from earth-vertical (gravity), visual sensors detect head orientation relative to the visual world, and proprioceptors detect leg orientation relative to the support surface.
・前庭感覚の手がかりは、地球の垂直(重力)からの頭の向きのずれを検出し、視覚センサーは視覚世界に対する頭の向きを検出し、固有受容器は支持面に対する脚の向きを検出します。
アウトプットとして観察される「立てない」は、背景となるインプットによります。
めまいによって立っていられない、足底感覚の鈍さでふらふらする、目が見えず立つのが怖い…
各感覚の役割を考えながら「なぜ立てないのか?」を明らかにできるとパフォーマンスは変わります。
臨床実践から主要問題を探る
本質的な知識をベースに臨床実践から主要問題を探るのが良いと思います。
ハウツー的にこうすれば良いという答えは、それが通用しない場合に思考停止してします。
遠回りかもしれませんが、一症例ずつ丁寧に考察していくと「立位の感覚統合について」の理解が深まると思います。
本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。