【片麻痺】体幹の崩れとは?

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【片麻痺】体幹の崩れとは?

こんにちは、ひろかずです。

 

片麻痺ケースの動作観察で

「体幹の崩れ」

という表現を聞いたことがあります。

実際には「崩れる」ということはないですよね。

 

体幹が崩れたら大変です。

 

ただ、そのくらい不安定である動作の現象を表現しているのだと思います。

 

今回は、いわゆる「体幹の崩れ」について、運動学・神経的な観点から考えていきます。

運動学の観点

運動学的に表現すると

・屈曲−伸展
・右側屈−左側屈
・右回旋−左回旋

になります。

 

例えば、右片麻痺のケース。

歩行時の右立脚期に「体幹が崩れる」

 

(運動学的に表現すると…)

 

歩行時の右立脚期に「体幹が右側屈右回旋し屈曲してしまう」

 

というような感じです。

 

「崩れる」という表現でひとくくりになっている中身を運動学的に表現してみましょう。

神経的な観点

Contrary to the extremities, trunk is involved bilaterally in stroke whose identification plays a crucial role in planning treatment strategies in rehabilitation. 
四肢とは対照的に、体幹は両側性に関与しており、その識別は脳卒中リハビリテーションにおける治療戦略の計画において重要な役割を果たす。
As recruitment of trunk precedes recruitment of the limb joints, it begins to move earlier and continues moving even after the limbs have stopped at the target.
体幹の動員は手足の関節の動員に先行するため、体幹はより早く動き始め、手足がターゲットで停止した後も働き続ける。

Suruliraj Karthikbabu,et al. A review on assessment and treatment of the trunk in stroke.Neural Regen Res.2012

 

神経学的に体幹機能みると「片麻痺」という表現は適切ではないのかもしれません。

四肢の動きに先行することも重要なポイントです。

 

神経的に表現すると

・両側
・同側
・対側

となります。

 

同側・対側は病変側から捉えた表現となります。
右脳病変であれば、同側は右側体幹となります。

 

片麻痺ケースの体幹を神経的に考えると、片側だけではなく両側を確認していく必要がありますね。

 

The impairments manifested as reduced activity of the lateral muscles, delayed onset, and reduction in synchronized activation of pertinent muscle pairs. 
顕著な障害は、側腹筋の活動の低下や開始の遅れ、および関連筋肉との同期した両側の活性化の低下。

Suruliraj Karthikbabu,et al. A review on assessment and treatment of the trunk in stroke.Neural Regen Res.2012

 

特に側腹部は観察ポイントになります。

 

・側屈や回旋の左右差はどうか

・四肢の運動開始にともない垂直を維持できるか

・四肢の運動の速さを変えても維持できるか

・四肢の負荷に対して活性化してくる

 

個々のケースで確認していけるといいかと思います。

体幹のアプローチを考える

歩行時の右立脚期に「体幹が右側屈右回旋し屈曲してしまう」

 

であれば、

 

左側臥位で骨盤を中間位で保持する

 

さらに

 

右下肢を空間保持し側腹筋の活性化を図る

 

その後

 

右立脚期の再評価

 

ごく一例ですが、アプローチと再評価を繰り返していけるとよいかと思います。

まとめ

片麻痺ケースの「体幹の崩れ」について運動学と神経的に考えてみました。

 

体幹の問題は四肢に比較して、みえにくい(注意してみないとわからない)ところが多いかと思います。

 

基本動作や歩行など全てに関連しますので、ポイントをおさえて理解できればと思います。

 

 

 

以上です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

 

References
  1. Suruliraj Karthikbabu,et al. A review on assessment and treatment of the trunk in stroke.Neural Regen Res.2012

 

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